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Tsuchikura Laboratory

第7回ワークショップを行いました

12月17日に2016年度第7回ワークショップを開催しました。参加してくださった皆様、場所と飲食物を提供してくださったカフェ「イグツィオーネ」様、ありがとうございました。
今回のテーマは「もののみえかたを知ろう!~視覚的トリックとこころの病~」ということで、錯視とこころの病に関連したサイエンスカフェを行いました。

最初に、参加者同士の緊張感を緩和するため、テーブルごとにトリックアートを用いて絵に隠されている動物や人を見つけていくというゲームでした。
参加者同士で協力して行ったことで、皆様の緊張もほぐれたことと思います。

まず初めに錯視についての話題提供を行いました。有名な錯視を用いて、「見間違い」や「見誤り」と「錯視」の違いを説明しました。さらに、坂道や月など普段何気なく目にしているものや感じている出来事の例を挙げながら、錯視によってどのように見えているのか、また、錯視の起る原因は何なのかという話をしました。

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道路などに錯視を意図的に取り入れることでドライバーに錯覚を起こさせ、スピードの出し過ぎを抑制するなど、日常生活にも役立てることが可能であるということも説明しました。
写真や映像で錯視をみてもらうだけではなく、テーブルごとに参加者の皆様同士で錯視の並び替えを行う体験もしてもらいました。具体的には、矢羽の角度がさまざまなミュラーリヤー錯視の紙を用いて、直線の長さが長い順に並べてもらいました。
並び替えをしていただいた後、本当はすべての直線が同じ長さであり、並び替えることが出来ないという答えを伝えました。答えを聞き、多くの参加者の方が紙同士を重ねて比較してみるなどの反応がみられ、実際に錯視が起っていることがわかっていただけたのではないでしょうか。

次に幻覚についての説明を行いました。アルコールの大量摂取や連日の徹夜などによって、健康な人でも意図的に幻覚を見る状態になることが可能であることを示し、幻覚症状のみられる病気についての内容に入っていきました。病気の概要だけでなく実際に見られた幻覚などの例を挙げ、幻覚を見た人に対してどのように接するのが良いのかなどをテーブルごとに考えてもらいました。
難しいテーマだったにも関わらず、多くの意見を挙げていただきありがとうございました。
また、情報の順番にそって絵を描いていくという作業を行いました。たとえば、①紙の右上の隅から左下の方に向けて星が1つ落ちてきました ②渡り鳥が2、3羽飛んでいます 、などの情報を提示して、書き終わった後にお互いの絵を比較することで、同じ情報が提示されたにも関わらず、人によっていろいろな絵が描かれるということがわかりました。これにより、ものの見え方や捉え方が人によって違うということが体験できたのではないでしょうか。

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ものの見え方や考え方にとらわれず様々な視点を持つことで、新しい発見が増えれば幸いです。

参加してくださった皆様、貴重なお時間をありがとうございました。

(第7回担当学生)

 

 

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