貼り紙の分析を行うにあたり、新垣・野島(2004)の議論を参照してください。
課題に関連する点は下記のとおり。
ソーシャルナビゲーションとは
Dieberger, Dourish, Höök, Resnick, & Wexelblat(2000)の定義:
・他者によって作り出された情報を利用すること。2つの要件
・・もともと用意されていた情報ではない
・・利用される人にあわせて情報が調整されている
上の定義を踏まえて、新垣・野島(2004)がとる定義:
・社会的な場面において外的資源を利用して行う問題解決。つぎの要件
・・人の問題解決に役立つことを目的とする
・・意図的に作り出されている
・・支援が直接的ではなく、間接的である
ソーシャルナビゲーションとしての「貼り紙」の特徴
・日常的にみられる
・人の外部にある
・その場面における問題解決の手がかりとなる
貼り紙の分類;分類の仕方はさまざま
・内容:あらかじめデザインされている/一般的な注意事項/機器等に付加されている)→分析対象は「機器等に付加されている」もの
・採集地:公共の空間/閉じた空間/個人の空間/その他
・貼られている対象:券売機/自動改札/ドア/駅構内/自動販売機/看板/駐車場精算機、などなど
・どのような問題に対処しようとしているか・人のどのような機能を補っているか★
・・知覚:人が見つけにくいものの存在を強調する(e.g.段差注意)
・・作業記憶:認識の手間を省略する(e.g.コンセントに付けられた機器の名前ラベル)
・・知識:知識の修正(e.g.ATMは移動しました)
・・行動:手続き・行動の仕方の教示(e.g.券売機に示された購入手順の番号)
文献
新垣紀子・野島久雄 (2004).問題解決場面におけるソーシャルナビゲーション:貼り紙の分析,認知科学,11(3),pp.239-251.(J-Stageへ)