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ニーズアセスメントとファシリテーションの補足

ニーズアセスメントについて補足します。安田・渡辺(2008)から、その定義を紹介します。

 教育や社会政策プログラムによる介入など、さまざまなアクションを行うことを前提としたニーズの把握をニーズアセスメントと呼ぶ。ニーズアセスメントとは、「評価者や一般の社会科学の研究者が行う社会的なニーズの記述および診断」と定義される(Rossi et al.,1999,p.120)。ニーズアセスメントの目的としては、ニーズの状況やその質や量、さまざまなニーズの比較や優先順位の決定などが考えられる。また、ニーズアセスメントには、その後のプログラムの計画や介入、評価の方針を決定する貴重な情報源を提供する役割もある。

 ニーズアセスメントは、満たされていない問題の状況を診断し、プログラムや政策による介入によって、問題とされる状況が実際に改善可能であるのか、ということを明らかにする。(p.22)

 

ポイントはニーズの所在を把握する、ということでした。なお、実際のアセスメントの方法はさまざまです。たとえば、質問紙、インタビュー、観察、既存のデータの分析などがあります。

 

ファシリテーションファシリテーターについてはイメージがつかみづらいかもしれません。活動やそのねらいに応じて、ファシリテーターが何をするのかは変わるでしょう。 ファシリテーターについては、たとえば、つぎのような説明があります。

・「ファシリテーター(facilitator)は、ワークショップや参画型の場におけるコーディネーターのような進行役のような、一言で説明するのが難しい職能である。」(西村,2014,p.38)

・「作成したプログラムに沿って活動を進行しながらも、その場で起こる出来事に対応しながら活動を支援する」(安斎,2013,p.116)

 

上記の説明につづいて、それぞれの考えが示されていますが、省略します。大切なのは自分たちの活動にとってなにが必要なのか、を考えることだと思います。

また、ファシリテーターがそれとして存在するのがよいのかも活動によって異なるでしょう。このあたりが考えどころです。

 

文献

安斎勇樹 2013  ワークショップを運営する,山内祐平・森玲奈・安斎勇樹 ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ,慶應義塾大学出版会.

西村佳哲 2014 かかわり方のまなび方―ワークショップとファシリテーションの現場から,筑摩書房.(ちくま文庫

安田節之・渡辺直登 2008 プログラム評価研究の方法,新曜社

 

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