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Tsuchikura Laboratory

研究テーマを考える手がかり

◇「その現象それ自体に関心がある」のか、「その現象のメカニズムに関心がある」のか
例)「満員電車はどうしてこんなにも不快なのだろう?」ということが気になり、これについて知りたいと思った。このとき少なくとも2つの方向性がある。
 
1:満員電車が不快であること自体に関心がある=「満員電車の不快さ」の研究
・満員電車の不快さをさまざまな角度から明らかにする。
・調査をすすめる上で「満員電車」は切り離せない。
・論文上は基本的に満員電車に関する議論が続く。研究を通じて得られた知見は基本的に満員電車に関するもので、総合考察において満員電車以外の現象に一般化を図る。
 
2:満員電車の不快さを生み出すメカニズムに関心がある=「不快さを生みだす要因」の研究
・満員電車の不快さを手掛かりに、不快さを生み出す要因(の一部)をみつけ、その要因について調査を行なう。
・調査をすすめる上で「満員電車」は脇におかれる。
・論文上、満員電車が不快であることは議論の導入に位置づけられる。研究を通じて得られた知見は、その要因を含む現象に基本的に一般化される。
 
*実際にはこの両極のあいだにグラデーションがあり、一筋縄ではいかないかもしれません。ただ、こうした「モデル」を想定したときに、自分の議論はどこに位置づくのかを考えるとよいと思います。
 

Excelの分析ツール

・分析ツールを初めて利用する際の手続きを書いておきます。

Excelのバージョンによって手続きが異なるかもしれません。その際は別途検索してみてください(たとえば、キーワードに「分析ツール」「アドイン」「Excel XXXX」などと入れて。XXXXはバージョン)。

 

◇ステップ1

Excelを立ち上げる。

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◇ステップ2

・画面上部のタブの一番左にある「ファイル」を選ぶ→画面左のメニューの下の方にある「オプション」を選ぶ

・画面左のメニューの下の方にある「アドイン」を選ぶ

・画面下の方にある「管理」の部分が「Excelアドイン」になっていることを確認した上で「設定」を押す

・有効なアドインのうち「分析ツール」にチェックを入れて「OK」を押す。

 ↓

◇ステップ3

・画面上部のタブから「データ」を選ぶ→画面の一番右に「分析」と書かれた部分があり、ここに「データ分析」があることを確認する。

・存在していなければ、ステップ2のどこかに誤りがある可能性があります。ステップ2に戻る。

 ↓

◇ステップ4

・「データ分析」を選ぶ

・ここから、相関、t検定、分散分析などができます。

 

 

自然淘汰の基本条件

まず、自然淘汰(自然選択)の基本条件を、長谷川・長谷川(2000,pp.25-26)から引用します。

(1)生物には、生き残るよりも多くの子が生まれる。

(2)生物の個体には、同じ種に属していても、さまざまな変異が見られる。

(3)変異の中には、生存や繁殖に影響を及ぼすものがある。

(4)そのような変異の中には、親から子へと遺伝するものがある。

この四つの条件が満たされていれば、生存や繁殖に有利な変異が、集団の中に広まっていくことになるでしょう。この過程を自然淘汰と呼びます。

 

こうした議論を前提に、この論理を、生物の身体や行動の特徴とは異なる対象に適用しようとすると、どのようなことが考えられるのか(どのようなことを考えるべきなのか)を考えていくことが求められます。

 

文献

長谷川寿一長谷川眞理子 2000 進化と人間行動,東京大学出版会

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