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Tsuchikura Laboratory

先行研究に学ぶ意義

どうして先行研究を読む必要があるのか?という問いには、つぎの言葉がヒントになるかもしれません。

 

「地図は全然ないよりは沢山あるに越したことはない。ハンディキャップなしで出発点からはじめようとする研究者は、危険を覚悟しなければならない。彼らは、無数の経験的発見を組合わせようとするばあい、過去の多くの人びとが落ち込んだ袋小路に自らも落ちこんでいることに気づくにちがいない。あるいは、自分たちの「発見」が、歴史的に考察すれば、単なる同義反復にすぎないことを発見するにちがいない。しかし、自分の研究対象の歴史を知っている研究者は、確信をもって研究を押しすすめることができる。彼は新しい衣装と古い衣装とを見わけることができるし、進歩と凡庸とを見わけることもできるだろう。その結果、それぞれの発見をコツコツと積み上げていく科学を建設するために貢献することができるのである。」

(オールポート,1956,pp.132-133;旧字体は新字体に置き換えた。誤りがあれば教えてください。)

 

ただし、地図がじゃまをすることがあるのも事実です。問題はいつ地図をみるのか、ということになるでしょうか。

 

文献

オールポート,G.W.高橋徹・本間康平訳(1956).『社会心理学史(社会心理学講座1基礎理論)』.みすず書房

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