承認してほしいのに、承認してもらえない不満からくる不全感という問題系。
→ 承認欲求を充たせるような「手段」を獲得することのむずかしさ
●ポジティヴな手段の獲得について(積極的自由と関連)
・他者が必要とするような役割を担ったり、他者の活動を充実させる支援ができる(=自らが他者のために何かをできる)のであれば、承認の獲得につながる
・ところが、こうした行為をできるようになるためには、一定の「負担」を負ったり、「苦しさ」を味わうことが求められる。
・・苦労せずに、誰にでもできることなのであれば、そもそも、それらの行為を行うことにより、承認を得ることにならないため。
・しかし、その「負荷」「苦しさ」に耐えることができない。
・でも、承認はしてほしい、という。どうするか。(ネガティヴな手段へ流れる)
●ネガティヴな手段の獲得について(消極的自由と関連)
・自分のことを無前提に承認してくれる/気にかけてくれる人(たとえば家族)がしてくれる提案にノーという
・・提案者は、そのノーに応じて、提案を修正してくれる
・自らの意思が通る、という「成功体験」。自分への(微かな)配慮にすがることに。
=他者の配慮にノーということでさらに配慮してもらう、という「手段」の獲得
・配慮は承認の十分な獲得にはならないため、膨大な配慮を求めることにも
●承認を得るための負担/必要なスキル
・自らが他者のために何かをすること > 他者の配慮・提案にノーということ
●この問題系においてどのような対応策がありうるか。
・おとなになれば、自動的に、他者の役にたつ何かができるようになるわけではない。できるためには、多くのスキルが必要で、大きな負荷に耐えられる力が必要。
⇔
・小さな頃には、他者の役にたつ(自分が何かをすることで周囲に喜んでもらえる)ことは、相対的に、小さな負荷/必要なスキルはすくなくて済む
・承認を調達できるようになる、という学習 → チャレンジする環境づくり、失敗を許容する環境づくり