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教師の生涯発達研究の主なモデル(秋田,1999)

秋田(1999)は、生涯発達心理学の観点(山田,1995)を参考に、教師の生涯発達研究の主なモデルとしてつぎの4つを挙げている。

 

(モデルの名称)   (そのモデルが主に研究してきた側面)

●成長・熟達モデル:特定の授業技能や学級経営技能・実践的な知識や思考過程

●獲得・喪失両義性モデル:知識・思考、生徒との対人関係、仕事や学びへの意欲

●人生の危機的移行モデル:環境による認知的・対人的葛藤と対処様式、自我同一性、発達課題、社会文化の影響

●共同体への参加モデル:集団における地位・役割、技能、語り口、思考・信念様式、共同体成員間の相互作用

 

浅田(1999)は、教師の職業的アイデンティティにつぎのような段階を想定している。

・「教師になる」機会(学級を担任する/授業を担当する)がきたという不安と興奮を体験する段階(興奮と不安)

・教師として子どもに重要な影響を与えているという実感をもつと同時に、指導者(初任者研修担当者や学年主任等)を理想化する段階(依存と同一視)

・子どもが教師として認めてくれ、教師として能動的な存在となる段階(能動性と依存の継続)

・教師であると実感し、責任を認識する段階(充溢感と引き受け)

・指導者からの独立と教師であることに基づき自らが考える存在となる段階(アイデンティティと一人立ち)

 

さて、これらのモデルは、私たちが関心をもつ対象に、どう援用することができるでしょうか。

 

秋田喜代美 1999 初任教師の成長・発達を考える,藤岡完治・澤本和子編 授業で成長する教師(シリーズ新しい授業を創る5),ぎょうせい.pp.27-39.

浅田匡 1999 初任教師の成長・発達を考える,藤岡完治・澤本和子編 授業で成長する教師(シリーズ新しい授業を創る5),ぎょうせい.pp.41-50.

山田ようこ 1995 生涯発達をとらえるモデル,無藤隆・山田ようこ編 生涯発達心理学徒は何か,金子書房.pp.57-92.(秋田(1999)による)

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