・「介入した」ところ「成功した」という経験を何度かする
・ここから、「介入すると成功する」と考える(=帰納的推論)
・論理的には、「介入した」に対して「介入しない」があり、「成功した」に対して「成功しない」がある
・わかりやすくするために、「介入しない」を「様子をみる」に変えて考える。
↓
・「介入する」(1)と「様子をみる」(2)という選択肢(選択はできないかもしれないので、そのような場合でもよい)がある
・(1)「介入する」場合
→成功した(1a)
→失敗した(1b)
・(2)「様子をみる」場合
→成功した(2a)
→失敗した(2b)
(1)介入する | (2)様子をみる | |
(a)成功 | 1a | 2a |
(b)失敗 | 1b | 2b |
・実際に経験したのはセル1aのパターンのみである。
◇検討事項1
・帰納的推論によって、「介入すると成功する」という仮説をたてた = 仮説生成的研究
・これが仮説生成的研究として意味があるのはどのような場合か。
◇検討事項2
・もしかしたら、事例が少なかったために、セル1aのパターンしか経験しなかった可能性が考えられる。
・「介入すると成功する」という仮説が妥当であるかを検討する = 仮説検証的研究
・先の説明可能性を取り除くために、事例を増やす。合計100事例を得たとする。このとき、セルのパターンがどうなっていれば、「介入すると成功する」と言えるだろうか。確実に/統計的に。
介入する | 様子をみる | 計 | |
成功 | |||
失敗 | |||
計 | 100 |
◇検討事項3
・仮に、常識として、「介入する」と「失敗する」(1b)ことが知られていたとする。
・ところが、「介入する」と「成功する」(1a)を経験したとする。
・この常識が置かれている文脈がつぎの(ア)、(イ)のような場合とする。
(ア)
介入する | 様子をみる | 計 | |
成功 | 10 | 40 | 50 |
失敗 | 40 | 10 | 50 |
計 | 50 | 50 | 100 |
(イ)
介入する | 様子をみる | 計 | |
成功 | 0 | 25 | 25 |
失敗 | 50 | 25 | 75 |
計 | 50 | 50 | 100 |
・それぞれにおいて、この経験の価値はどうなるか。
・それぞれの文脈において、今後、どのように研究を進めていくべきか。
・カテゴリの精査はどのようになされるとよいか。