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Tsuchikura Laboratory

教育実習の経験に関する研究(YNU)(2019年度)

・YNUの集中講義で、「教育実習の経験」という大きなテーマのもと、班ごとにRQを設定し、インタビュー研究に取り組みました。プレゼンをアップします。
・各班とも、試行錯誤しながら、RQを追究できていたと思います。
・この過程で、「分析手続きをマニュアル化しづらい」と私が口頭で説明したことも、体感してもらえたものと思います。
・あわせて、RQや収集したデータごとに、どのように分析を進めるのが適切かを考えていくことのむずかしさ、また、それを乗り越えるために他者との対話が重要であることも、感じてもらえたと思います。
・各班へのコメントは授業で行なったため、さいごに全般的なコメントを2点述べます。
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A班

B

C

D

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■1点目
・優れていた点として、「なぜその問いを追究するのか」という問題設定が明確だったことが挙げられます。
・一方、弱点もあります。問いが少々素朴で、深みを欠いたように見えます。(なぜ質的研究をするのか、を思い出してください。)
・では、どうして深みを欠いたのか。理由の一端は授業デザインによるものと考えています。
・・1:RQの設定に十分な時間を割かなかった。(受講者のみなさんにはわからなかったことですが、今年はインタビューのやり方の説明・演習に時間を割きました。その分、昨年よりも、RQ設定の時間を短くしました。)
・・2:先行研究を参照していない。(先行研究の理解は、そもそもこの授業で取り扱うつもりがありません。)

・以上のように、深みを欠いた理由の一端は授業デザインにあります。

・では、RQを工夫するにはどうしたらよいのか。自分でRQを立てる時には、上記2点に気をつけてみてください。

■2点目
・数量化への志向について、授業で口頭で説明したことを補足しておきます。
・今回用いた分析手続きは、その現象について、どのようなカテゴリ(認識、経験)のヴァリエーションがあるかを明らかにしようとするものです。
・そのため、素朴にはつぎのようなことを論じることができません。
・・1:その現象について、あるカテゴリが選ぶ/選ばれることが、「多い」「少ない」か。(一方、ある側面のカテゴリのヴァリエーションは、他のそれより多いということは言えます。)
・・2:ある変数のカテゴリと他の変数のカテゴリにどのような関連がみられるか。
・ただし、分析を進めた結果、上記の関心をもった場合に、つぎの一手としてどのような対応方法があるか、を考えることができます。
・解決策の一端は、B、C班のプレゼンをあらためて見てみるとよいと思います。
・注意すべき点は、B、C班の行きかたもまた仮説生成と呼ぶべき(安易に検証と言わない)ということです。
・検証を目的とするのであれば、この研究によって見いだされた「仮説」について、あらためて別の研究で行なうとよいでしょう。これについてはA班にすこしコメントがあります。

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