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Tsuchikura Laboratory

命題の意味/機能

課題の補足

・命題(e.g.ヘルパーセラピー原則)が正しいか否かはひとまず問題ではありません。

・ポイントは、その命題の普及が共同体にとってどのような意味をもつか/機能を果たすか、ということです。

・命題の普及を達成したい人が、善意の人かどうかもひとまず問題ではありません(悪意をもっている場合もあるし、意図に無自覚の場合もあります)。

・もうひとつのポイントは、その命題の普及によって「不利益」を被りうるのは誰か、ということです。

・ただし、課題においてひとまず問題でなかった点は、普及の過程においてはクリティカルな問題になります。だから、「偽装」されます。

・・これらのことは「不利益」を不利益と認識させない役割とも関連しています。

 

「 」・・・皮肉な他者の視点

事例の補足


A:「ある現場」で何らかの目的を達成したい、とおもう

・現場のことがよくわからないので(現場で泥にまみれるつもりはない)、別の現場に関する情報にもとづいてモデルをつくる
・・そもそも設定した目的が不適切
・・目的とモデルがずれている
・・目的とモデルは適切だとしても、現場の制約に不案内なため、実効性を欠く
・モデルはつくられると、現場のことをよくわからないでつくられたことが見えなくなる


B:モデルが降ってきた現場では、「このモデル、おかしいよね」とおもう
・そもそも、目的が不適切では?
・目的とモデルがずれているのでは?

・実効性を欠くのでは?



A:
・Bをモデルに従わせるために、アメとムチをもちいる

B:
・(飢餓状態のため/競争において)アメを獲得するか否かは死活問題
・(厳しい競争において)ムチ(罰)を与えられて評価が下がるか否かは死活問題
・・アメを獲得するよう、ムチを回避するよう、動かざるを得ない

・選択肢:アメを「獲得する」「獲得しない」(アメのみ例示するが、ムチも同様)
・アメを「獲得する」コストが大きい場合(④へ)
・アメを「獲得する」コストが大きくない場合 → コストを支払う
・・ひとつのアメでは何の足しにもならない
・・たくさんのアメを獲得しようとする
・結果的にコストは膨大になる → 競争相手とのがまん比べ(④へ)


B:
・わけもわからぬままコストを支払い、疲弊 → 自滅(=フィールドから退場)
・「解決」策として、モデルを骨抜きにし、枠組みのみ適合するように、調整する


・表面上はモデルどおりに動いているようにみえる
・・ただし、目的は達成されていない

・Aもそのことを理解している(!)
・・しかし、だれにも責任を問われる可能性がないため、改善しない
・・事が大きすぎて、改善の仕方もわからない…

テーマ:どこをどのように改良しうるだろうか?分岐点はどこにあっただろうか?

現代社会史の三つの区分

見田(2006,3章)

「1945年、第二次世界大戦終結から現在に至る日本の現代社会史は、この根底からの変動の時代を軸に、基本的に三つの時代に区分しておくことができる。」

〈プレ高度成長期〉:1945~1960

〈高度成長期〉:1960年代と1973年頃まで

〈ポスト高度成長期〉:1970年代後半以降

 

「現実」という言葉は三つの反対語をもっている

・理想と現実

・夢と現実

・虚構と現実

 

「日本の現代社会史の三つの時期の、時代の心性の基調色を大づかみに特徴づけてみると、ちょうどこの「現実」の三つの反対語によって、それぞれの時代の特質を定着することができると思います。」(p71)

 

理想の時代(1945年~60年頃まで)

・人びとが〈理想〉に生きようとした時代

=人々が理想を求めて生きた時代

・・理想は現実化することを求める

・・日本を支配していた二つの大文字の「理想」

・・・アメリカン・デモクラシーの理想

・・・ソビエトコミュニズムの理想

 

夢の時代(1960年~70年代前半まで)

・人びとが〈夢〉に生きようとした時代

・前半:あたたかい夢の時代

・後半:熱い夢の時代

・・第一期の理想がもたらしたものへの反乱、それらからの解放を求める

 

虚構の時代(1970年代の後半から)

・人びとが〈虚構〉に生きようとした時代

=もはやリアリティを愛さない。

・リアルなもの、ナマなもの、「自然」なものの「脱臭」に向かう、排除の感性圧

・虚構化する力。あえてしている。

 

見田宗介 2006 社会学入門 岩波書店岩波新書

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