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天気予報士の憂うつ、もしくは…

チャルディーニの『影響力の武器』から天気予報士にまつわるエピソードを3つ引用します。

1つ目

〔チャルディーニに電話がかかってきた;引用者注〕「先生、なぜ私が非難されなければならないんでしょうか?」その震えた電話の声の主は、ローカルテレビ局の天気予報官でした。(略)「(略)誰だって知っているんですよ、私はただ天気予報をしているだけで、天気を決めてるわけじゃないってことは。それなのに、天気が悪いと、どうして私が集中砲火を浴びなければならないんですかね?去年の洪水のときなんか、私は郵便が大嫌いになりましたよ。ある男は、雨が止まらなければお前を撃ち殺すと脅迫ですよ、なんてことです。私はそれ以来、自分の肩越しに後ろを振り返るんです。(略)彼らは、私に責任があるわけじゃないってことを知るべきなんです。(略)」(pp.299-300)

 2つ目

トム・ボナー、35歳。彼はアーカンソー州リトル・ロックのKARA-TVで11年間も予報を担当しているが、ロノクからやってきた無骨な農夫に会ったときのことを覚えている。農夫はバーでひどく酔っていたが、彼のところに寄って来てその胸に指を突きつけ「おまえは竜巻を起こして、俺の家を壊したやつらの仲間だろ……おまえの首をもぎ取ってやるからな」とすごんだという。/ボナーは店の用心棒を探したが、見つけることができず「竜巻のことはもっともだ。だけどな、もう一つ教えてやろう。もし、あんたが手を引っ込めなければ、もう一つ竜巻を送ってやるからな」と答えたという。(p.303) 

 3つ目

インディアナ州サウスペンドにあるWSBT-TVのチャック・ウィタカーは「小柄な老婦人が警察署に電話し、大雪を降らせた罪で〔天気〕予報官を逮捕させようとした」と語った。(p.303)

思うところもあるかもしれませんが、いちどそれは括弧にいれるとして、天気予報士以外に、どのようなことが考えられるでしょうか?

 

チャルディーニ,R. B.社会行動研究会訳 (2007).影響力の武器(第二版),誠信書房.(引用は第2版からですが、2014年に第3版が出ています)

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