世間である企業を「ブラック企業」と呼ぶとき、共通する特徴があるという(大内,2014,pp.76-78)
●そもそも労働法を守るつもりがないケース(明らかな法律違反)
・どんなに残業させても残業手当を支払わない
・店長には、管理職であることを理由に、残業手当を支払わない
・勤務時間外に残業をさせてもそれを残業扱いにしてくれない、タイムカードを打刻した後も残業を続けさせる
・休憩時間を与えずにぶっとおしで長時間働かせる
・年次有給休暇を取るときに、理由を書かなければ認めてくれない
・仕事でケガをしても労災扱いにしてくれない
・求人のときに広告に出ていた労働条件が、実際とはまったく違っている
・辞表を書いた労働者に徹底的な嫌がらせをする
・いろんな名目をつけて給料から控除してくる
・就業規則がなかったり、あってもみせてくれない
・社員を請負の形式にして労働法の適用を免れようとする(名ばかり自営)
・採用したばかりの社員をすぐに他の会社で派遣社員として働かす、など。
●明確な法律違反とは言えないかもしれないが、ブラックな要素があるケース
・新人研修の目的で、無茶なことをやらせる
・社長の命令で仕事と無関係なことをやらせる
・社員のなかにスパイがいて他の社員の行動を監視している
・業務に必要な経費なのに社員に自腹を切らせている
・とてもこなし切れない量の仕事を、短い期限でこなすように求める
・厳しい販売ノルマを課して、さばけないときは社員に買わせる
・会社の利益のためならモラルも無視する
・人事が社長の気まぐれで恣意的に行われている
・十分な研修なしに、いきなり難しい仕事をやらせる
・経営陣の公私混同がまかりとおっている、など。
大内(2014)は、雇用と自営のメリット・デメリット、雇用のなかでも正社員と非正社員の特徴の違い、労働法の意義をわかりやすくまとめています。