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レヴィ=ストロースとレヴィン

レヴィ=ストロースのアグレガシオンの口述試験について

「私が籤で引いた課題が、またとてつもなくわけのわからない代物でした。「応用心理学なるものは存在するか?」というのです。アンリ・ワロンが試験官の一人でしたが、きっと彼が出した課題にちがいありません。」(p.26)

レヴィ=ストロースの回答や試験官の意図は別として、この問いにどう応えるかは現代ではとても興味深い。「当たり前だ」という即答とは異なる態度をどう探れるだろう。

 

あるアメリカ人の女性が、レヴィ=ストロースがフランスに帰ったのはアメリカでポストが得られなかったから、と書いていたことを発端に、レヴィ=ストロースがエリボンに語ったこと。

 

L=S:アメリカ人から見れば、ヨーロッパに戻るなんてそれ以外の説明のしようがなかったのでしょう。・・・略・・・実際には、私はその気さえあれば、ずっと早くアメリカに居つくことはできたのです。ごく初めの頃、クルト・レヴィンが安定したポストを紹介してくれていたのですからね。(p.108)

 

レヴィ=ストロース,C.& エリボン,D.竹内信夫訳 1991 遠近の回想,みすず書房

 

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