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Tsuchikura Laboratory

行動の結果を羅列するのとは異なる記述

「こうして大勢の子どもを保育するとき、大方の保育者の目は、「縄跳びを跳んだ」「公園に散歩に行った」「完食した」「すぐに午睡に移れた」等々、子どもの行動の結果に向かい、記録を書くときにもそのような行動の結果を羅列することで保育の経過の記録としてきたところがありました。明らかにその方が楽だからです。

 しかし、子どもの気持ちに寄り添ってみれば、そのようなさまざまな行動の背後には、必ず子どもの気持ちや思いが動いているのが分かるはずです。目には見えない子どもの心の動きは、しかし寄り添った保育者の身体に染み込んできます。遊び込めない子どもの背後に、朝叱られて登園してきたことを引きずっている気持ちが汲み取れたり、暗い表情の裏に、難しい家庭事情のゆえの不安がうかがえたり・・・・・・もしも保育者が子どものそのような思いを感じ取ることができれば、そこからそのような思いに添った対応がしぜんと紡がれるに違いありません。」(鯨岡・鯨岡,2009,pp.15-16)

 

「行動の結果を羅列する」のとは異なる記述のアプローチが後半に示されています。

・同様の方向性を、著者らとは少々異なるスタンスで、どのようにとることができるでしょうか?

・それをいつもちいるとよいのでしょう?

 

文献

鯨岡峻・鯨岡和子 2009 エピソード記述で保育を描く,ミネルヴァ書房

研究対象へのアプローチ

現実の現象は複雑。どうアプローチするか?

1:変数に還元できる部分のみ検討する。研究対象を切り詰める。

2:文脈も変数として組み込みつつ検討する。文脈を考慮しつつ切り取る。

3:変数に還元しない。複雑なものを複雑さを活かして描く。

 

フリック(2002,pp.8-9)を踏まえている

 

文献

フリック,ウヴェ,小田博志・山本則子・春日常・宮地尚子訳 2002 質的研究入門―〈人間の科学〉のための方法論 春秋社

ワールドカフェとシンポジウムのお知らせ

ゼミや講義とは関連がありませんが、イベントのお知らせをします。といいますか、私的なメモです。

 

●ワールドカフェ「質的研究にたいするとまどい」を語ろう(日本質的心理学会第14回大会プレ企画)

(企画:日本質的心理学会研究交流委員会)

 

企画の詳細はこちら:https://sites.google.com/view/jaqpworldcafe

お申込みフォーム:https://goo.gl/forms/iL6k3zVeLEplaGze2

 

●保育者が抱える困難と望まれるサポートを考える―保育者、養成校教員、研究者の対話を目指して―

(企画:日本質的心理学会 研究交流委員会・保育教諭養成課程研究会)

 

企画の詳細はこちら:https://sites.google.com/view/hoikusympo

お申込みフォーム:https://goo.gl/forms/93eJpSveiLQiHbqH2

 

●ISCAR2017

http://iscar17.ulaval.ca/

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