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Excelの分析ツール

・分析ツールを初めて利用する際の手続きを書いておきます。

Excelのバージョンによって手続きが異なるかもしれません。その際は別途検索してみてください(たとえば、キーワードに「分析ツール」「アドイン」「Excel XXXX」などと入れて。XXXXはバージョン)。

 

◇ステップ1

Excelを立ち上げる。

 ↓

◇ステップ2

・画面上部のタブの一番左にある「ファイル」を選ぶ→画面左のメニューの下の方にある「オプション」を選ぶ

・画面左のメニューの下の方にある「アドイン」を選ぶ

・画面下の方にある「管理」の部分が「Excelアドイン」になっていることを確認した上で「設定」を押す

・有効なアドインのうち「分析ツール」にチェックを入れて「OK」を押す。

 ↓

◇ステップ3

・画面上部のタブから「データ」を選ぶ→画面の一番右に「分析」と書かれた部分があり、ここに「データ分析」があることを確認する。

・存在していなければ、ステップ2のどこかに誤りがある可能性があります。ステップ2に戻る。

 ↓

◇ステップ4

・「データ分析」を選ぶ

・ここから、相関、t検定、分散分析などができます。

 

 

自然淘汰の基本条件

まず、自然淘汰(自然選択)の基本条件を、長谷川・長谷川(2000,pp.25-26)から引用します。

(1)生物には、生き残るよりも多くの子が生まれる。

(2)生物の個体には、同じ種に属していても、さまざまな変異が見られる。

(3)変異の中には、生存や繁殖に影響を及ぼすものがある。

(4)そのような変異の中には、親から子へと遺伝するものがある。

この四つの条件が満たされていれば、生存や繁殖に有利な変異が、集団の中に広まっていくことになるでしょう。この過程を自然淘汰と呼びます。

 

こうした議論を前提に、この論理を、生物の身体や行動の特徴とは異なる対象に適用しようとすると、どのようなことが考えられるのか(どのようなことを考えるべきなのか)を考えていくことが求められます。

 

文献

長谷川寿一長谷川眞理子 2000 進化と人間行動,東京大学出版会

行動を説明する4つのアプローチ

ある行動がなぜ存在するのかを説明する4つの要因を長谷川(2009,p.12)から引いておきます。

 

・至近要因:その行動は、どのような直接のメカニズムによって引き起こされるのか

・発達要因:その行動は、個体の成長と発達の過程でどのようにして完成されてきたのか

・究極要因:その行動は、どのような機能を果たしているのか、どのような適応的価値があるからその行動があるのか

・系統進化要因:その行動は、その動物の祖先のどのような行動から、どのような道筋を経て現在の行動になったのか

 

シジュウカラの雄は春になるとさえずる」という行動について、4つの要因からアプローチする例。こちらも長谷川(2019,p.13)から。

 

・至近要因:日照時間が長くなってきたことを感知する脳内のメカニズムによる説明。日照時間の変化を感知により生じたことが、性ホルモンに働きかけてさえずりを促すメカニズムによる説明。

・発達要因:ヒナの脳内に生まれつき備わっているさえずりの「鋳型」の存在やそれが、成長の過程で同種の雄のさえずりを聞くことによって修正を受けること、自らがさえずって練習することで完成する、というプロセスによる説明。

・究極要因:さえずりは、雄どうしのなわばりをめぐる競争と、雌に対する求愛の機能を果たしていることによる説明。さえずることが配偶相手の獲得に重要であることによる説明。

・系統進化要因:現在のようにはさえずらなかった祖先の鳥のどんな鳴き声が、どのように変化して現在のさえずりになったのかの歴史的プロセスによる説明。

 

「ある行動がなぜ存在するのか」という問いを立てるときに、自分はどの水準の説明を求めているのかを考えてみるとよいと思います。

 

文献

長谷川眞理子 2009 動物の生存戦略―行動から探る生き物の不思議,左右社.

Timbergen, N. 1963 On aims and methods of ethology. Zeitschrift für Tierpsychologie, 20,410-433.

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