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Tsuchikura Laboratory

ケリーについて

G. A. KellyとH. H. Kelleyの2人のケリー

 

George A. Kelly(1905-1967)

・パーソナルコンストラクトのケリー

 

Harold H. Kelley(1921-2003)

・共変原理で知られる、レヴィンとともに研究をしたケリー

・レヴィンについてまとめたマロー(1972)から、ケリーが語ったことを中心にまとめられた部分を引用する。

 

「ハロルド・H・ケリーは、地域社会問題委員会の会長スチュアート・クックのすすめに従って、レヴィンと一緒に研究することを選択したのだが、ケリーは、他の大学院生と同じように、毎週、レヴィンの開くセミナーに出席した。彼はすでに、バークレイのカリフォルニア大学で、ラルフ・グランドラックのもとで心理学を学び、修士の称号をとっており、軍隊では、クックやジョン・レイシーなどとともに研究に従事して、広い経験をもっていたが、彼自身としては、彼〔レヴィン;引用者〕のいわゆる「異国的な、特別の領域、すなわち、レヴィンがやっているトポロジー的・ベクトル的分析法、アリストテレス的な考え方に対するガリレオ的な思考様式、そのほかたくさんの新しい研究法」については、まだ準備不足だと思っていた。「私は木を求めて、森を見ることができなかったのです」と、現在のケリーも告白している。「私には、研究が何を証明しているかということはわかっても、その研究が取り組んでいる問題や、取りあげている疑問からみて、その研究の価値を認識する広い視野が欠けていました。・・・中略・・・ほとんど四分の一世紀に近い昔をふりかえりながら、ケリーは今も、「社会心理学に指針を与えた点で、レヴィン以上に強い影響力をもった人は、いまだかつてなかった」と信じている。ケリーによると、この影響は、社会心理学が前進するためにはどうしたらよいのかといった特殊な考え方や事のなりゆきに関するものではなくて、理論的な分析のレベルの問題(対人関係のレベルで分析するのか、社会的に重要な意味をもった人間の内部のレベルで分析するのかということ)や、一般的な研究のすすめ方の問題(理論の建設や検証を主にした実験を行なうこと)に関するものであった。」(pp.332-334)

 

ハロルド・ケリーについて

https://senate.universityofcalifornia.edu/_files/inmemoriam/html/HaroldH.Kelley.htm

マローの出典についてはレヴィンの記事を参照

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